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びゅんびゅんふらふら

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●土曜日
この冬いちばんの寒波。
母親に電話して、NHK福岡放送局内でやっている「篤姫衣裳展」に誘うも、
窓の外、ほうぼうに舞う雪を見て二人、「今日は無理かね。。。」と士気が下がる。

その電話で、母親が今週の事件を告白。
とある日、何げなく夕刊を見ていると、不審な火事の記事が載っていて、
遺体で発見されたという人は、母の旧知の女性と同姓同名だった。
30年以上前、3~4年のおつきあいがあった人で、
もう長く音信不通になっていたらしいが、年のころも同じだしまさか!
とその夜、寝つけなかった母は、
翌日、意を決して、自転車で向かえるほどの距離ではある現場に向かった。

○○町×丁目、というくらいの情報しか新聞にはないので、
案の定、右往左往しても見つけきれず帰ろうとしたところに、
原付でやってきたおじさんと目が合って、「あのう」と母が声をかけると、
何とその人も、件の女性の同窓生で、現場に向かうところだという。

「見つからんけん帰ろうとしたのに、
 ちょうどその人が通りかかりんしゃったけんねえ。
 亡くなった○○ちゃんが、
 『まだ帰らんで』って引き止めたんやないか、って思ったとよ。」

ほどなく現場は見つかり、手を合わせ、
近所に住むおばちゃんたちと、故人の最近の様子や思い出話をして、
ずっと一人暮らしだったらしい彼女の身内の方と、
面識のある人は、居合わせた中にもいなかったらしいが、
もし葬儀の情報などあったらと連絡先を渡して、母は帰ってきたらしい。

翌日になっても連絡はないので、
母はこのあたりの葬儀場に片っ端から電話をかけて問い合わせたらしいが、
わからなかったという。

何というか、おばさんの野次馬根性的なもの、と言われればそれまでだけど、
そこまでした母の行動力にちょっとびっくりしたというか、
65才のわが母はまだまだ逞しいな、と思った。


この日、夫は会社の同期の結婚式のため小倉へ行ったし、
そんな寒さでどこかに繰り出す気にもならなかったので、
近所のスーパーや薬局で買い物をしたぐらいで、終日、私は家の中。

夜になり、料理長不在なので、しょうがなくひとりで
白菜スープと納豆チャーハンを作って食べて、
ちょっとビール(=発泡酒)飲んだりしてると、
「ひとり暮らしって、こんな感じだったよなー」と、
夫というものをもって(持ち物ではないが)、彼が必ず帰ってくるってのが、
何だか妙に不思議なことのように思われた。

夫は23時帰宅。練習の甲斐あって、矢島美容室の余興はウケたらしい。
あのキラキラの砂色スパンコールみたいな衣裳と、でっかいカツラ(夫は石橋の扮装)つけて、
てらてらに化粧した写真を携帯で見せられたが、、、
やはり、すさまじいものがありました。

●日曜日
6時起床し、ジャージの上にダウン着込んで、佐賀県は基山町へ。
南下するにつれ、紅葉の木々や屋根屋根は雪化粧。
さ、寒いよう・・・。
1度とか2度とかいう気温の中、今日は私にとっての初マラソン!!なのです。
とはいっても、フルじゃないよ、もちろん。10kmの部。

ふらふらと一人気ままにランニングする日々から一歩踏み出して、
大会なるものに出場してみよう!と決めたのが9月初頭。
それから、気合が空回りするかのように、
9月半ばに足首を捻挫し、10月終わりにはぎっくり腰・・・。
満足な練習もできなかったので半ばテンションも下がっていたけど、
誘ってくれた数少ないラン友のおかげで、何とか気持ちを盛り上げて臨むことができました。

受付を済まし、ゼッケンをもらって安全ピンでTシャツに添付。
これが結構な難儀でね、だってゼッケン、紙なんだよー普通の!
でもこういうのも新鮮だった。
受付の締切時間からスタート時刻まで1時間半以上もあるので、
寒さに慣れるためウォーミングアップで2kmあまりを走り、ストレッチなど。
人が続々と集まってくる。
鳥栖工業高校の陸上部の面々をはじめ、「本気」ランナーも数多く。
いっぽうで、私よりうんと年上のご夫婦や、おじいちゃんなどもポツポツと。

9時45分、スタート。
老若男女同時に走り始めるので、ここで速いランナーに煽られては先でバテバテになる、
とはわかっているのだが、やはり周りの熱気にあてられて
最初の2kmは11分半で駆けてしまった。
練習では最初の2kmを13分を超えるほどで入って、
そこから徐々にペースを上げていくのが常なので、随分速い。
これでも全然、集団の後ろのほうにいるんですよ。

1.5kmほどの地点から、ゆるゆると田舎道の上り坂になる。
この上りが延々と3kmほど続くことは事前に知っていたのだが、
そんなに長く坂道を走ったことがない(そんな練習、する気にもならんよ)のが、
このレースでのいちばんの不安だった。

徐々に傾斜がきつくなる。長いよー、息が苦しい。
頂上は見えない。いったいどこまで?! 
何でこんなきついこと、自ら望んでしてるんだ、みんな!? 自分も含めて!
でも、前にも後ろにも人が走ってて、
ほとんど切れ目なくスタッフ(きっとボランティアの人もたくさん)がいて、
声援を送ってくれるので、何とか走れる。
これが大会ならではの高揚感なんだな、と思いつつも、き、きついー。
やっと頂上! 5キロ、時計を見ると、29分ジャスト! 速いよ俺!
練習ならフラットコースでも前半は30分を超えるところだ。

さあ、ここからはしばらく下り坂。
解放されたように体がどんどん動く。スピードに乗る。息が軽くなってくる。
まだ気持ちは全然くじけてない。もう後半、あと5キロでゴールなんだ、走れるぞ!

人生初めての給水所も体験。
気温が低いので喉が渇いてるわけじゃないけど、
レースに参加したからには、このイベントは、こなさなきゃでしょ。
「がんばれがんばれ!」と言われながら差し出されるお水のコップをとる。
テレビで見るランナーのように走りながら颯爽と飲むのは不可能なので、
ゆうゆうと歩きながら飲み干しました。
「投げといて!」というスタッフの威勢いい言葉に素直に従って、
ポーンとコップを道の脇に投げるところは、ランナーっぽくやってみました。

しばらく続くフラットな道、1キロごとに距離表示板が出てるんだけど、
あまりにささやかなサインなので何度か見落とし、
腕時計でタイムを見ても、いつもの練習とはまるで違うペースで前半を走ってるので、
いま何キロ地点なのかだんだんわからなくなる。

あと3キロ、いや、4キロくらいあるのか?
もう、力を振り絞ってもいいころなのか? まだ、溜めとくとこなのか?
わからん!
あっ、また上り坂だー! やーめーてー!
前半、散々いじめられて、8キロあたり(と思われる)の坂は、きつすぎる。

「がんばれ、あと1キロ!」
と沿道でスタッフに言われ
(この「あと1キロ」という言葉を300mくらいに渡って言われた気がする・・・・)、
うー、うー、がんばるのだ!!!と思ったら、また、上り坂。
もう無理ー!

前半、ゆっくり走って、徐々にスピードアップする、
といういつものペース、気持ちよく走りきれるペースなんて、
そんなもん、あったもんじゃない。
ふらふらで運動場の門をくぐり、最後の直線だけ何とか歯をくいしばって体を起こして、
ゴール!!!

タイム、56分26秒。順位、188/258位。
この258人は老若男女併せてであり、エントリーの一覧の冊子を見たところ、
女子はほとんど1割しかいないことを考えると、なかなか満足。
それにタイムは、練習で出したことのあるベストタイムより2分近く速い。
これが、経験した市民ランナーのいう、「大会マジック」なのね。
レース経過を振り返ると、スマートさとは程遠く、最後バテバテでつらかったけど、
走り終わったあとの爽快感、充実感は、練習の比ではない。
テントで配ってた熱いレモンティーの甘みが、すごく美味しかった。
楽しかった!

筑紫野で温泉センターみたいなところに寄って、体をあっためる。
湯船がこんなに気持ちいいものとは・・・。
「次はどこのレースに出ようか?」なんて、
調子よく話しながら食べる昼食の美味しさよ。
by emit9024 | 2008-12-07 21:28


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