女王の恋のゆくえ

「明日は飲み会だから」
と彼が言うと、瞬間、不機嫌になる。
押しも押されぬ(?)呑み助同士の私たち、週に一度や二度は、同僚やら友だちやらと飲みに行くのが常態。
当然、私も行ってます。彼はそのことに対してとても寛容だ。
私の性格をよく知っているので、間違っても「女のクセにそんなに飲み歩いてさあ」なんて、口にしない。
それに、仕事からまっすぐ帰る日であっても、私のほうが帰宅が遅くなることも結構あるけど、
そこで間違っても「女なんだから男より先に帰ってメシとか作ってさあ」なんて言わないのが、私の彼。
ありがたいことである。

なのに私ときたら、彼が飲みに行くとなるとこうなんだもんね。
別に、そうそう午前様になるわけでもなく、酒癖が悪いわけでもないたろうくんだというのに。
ま、不機嫌を顔に出してるつもりもなく、快く送り出してるし(多分)、心底、嫌なわけでもない。
むしろ、「そーよね、飲みにも行きたくなるよねー、だって飲むの好きなんだし、仕事のあとに気のおけない仲間と飲むのは楽しいし、サラリーマンだから付き合いもあるし、飲み代はそれぞれのお小遣いでまかなってるし、悪いことひとつもないよね。お互いさまだよね。」って気持ち、これは本心。

ただ、何となく、そう言われた瞬間は、「ちぇっ」て感じ。

でももちろん、その一瞬後には、心が沸き立つ。

(そっかー、たろうちゃん、明日の夜は遅いんだ。てことは、何しよう?)
彼が遅いのなら、安心して残業もできるな、なんて思ったり、
その間に掃除しようとか、おかずの作りだめしようとかって地道な家事道のことも考えるが(ほんとだよ?)、
やっぱり、メインは、
(ふふふ、楽しいひとり時間、どう過ごそうか?)
ってことである。

仕事が早く終われば走りに行こうかな、『風林火山』のDVDを見返そうか、本をもちこんで長風呂しようか、
あるいは、私も誰かを誘って飲みにいこうかなー、
などと、果てしなく夢は広がるのである(←ばか。しかも、発想が地味)。


で、今夜は結局、『おうちビールでリラックス』ってことに。
明日は休みだしね。安心して飲もうではないか。ふふふ。

8時過ぎに帰宅し、手早く掃除機かけたあと、
冷蔵庫の鯖を焼いて、ブロッコリーとオリーブの簡単サラダを作って、発泡酒あけて、読書開始。

そしたら、大変なことになってきましたよ!
先日から楽しんでいる『鬼道の女王 卑弥呼』(黒岩重吾 文春文庫)は、ゆうべから下巻に入ったのですが、
ここへきて、思いもよらぬ展開に。

このブログ読んでる方で、これからこの本を読もうって方もそうそう居ないと思うんで、
簡単にネタバレしちゃいますが、
女王卑弥呼の生涯ただ一人の恋人、ミチゴメが、宦官になってしまった!!!

そーうーくーるーかー!

しかも、司馬遷とかみたく、宮刑に処せられたわけでもないんだよ。
あれ? 宮刑って、一般語彙だっけ。
つまり、睾丸をとるっていう刑罰の意味ね。
そうじゃないとよ、ミチゴメは。
愛し愛されている仲とはいうものの、卑弥呼は神威の女王。男子が近づくことは許されない。
それで、正々堂々と彼女の側近くに仕えるため、男子でなくなってしまうことを、自ら発案し、実践するのだ。

生にも政にも性にも濃ゆ~いのが黒岩さんの小説の真骨頂だと思ってたのに、まさかこんな純愛で攻めてくるとはねー。
驚きました。
でも、かなりいいよ。
精神のみで結びつく男女の愛なんて、書きようによっちゃ、
「へん、いい大人が、綺麗ごと言いくさりおって」なんて印象になりかねないけど、
そこに至るまでの、二人のひそやかで激しい慕情、当時の日本と東アジアの緊迫した政治的状況、頂点に立った卑弥呼の孤独が連綿と描かれているからこそ、ものすごい説得力。
ぞくぞくします。
興奮のままに、今こうしてブログを書いてみましたが、早速これから、また読書に戻ります。ビール片手に。
下巻はあと半分ほど、残っています。

あー、邪馬台国って、ほんと、どこにあったんだろ?
ロマンやね~。
[PR]
by emit9024 | 2008-03-28 22:21


<< ひねもすのたりのたりかな みんなの子どもでもあるよね >>