昭和は遠くなりにしか

例年どおり土日併せて9日間の夏季休暇をとり、5営業日間、仕事をしたあとさらに、
結婚に伴って許される9日間の特別休暇をとった。
社会人8年目、こんなに休んだのは初めてのことだ。
それでも席もなくならないことを思うと、会社にも感謝しなければなりますまい。
旅行を終えて週明け、仕事に復帰し、明日が金曜日。
今週は、火曜日に経理システムの問題等で22時過ぎまで残業したことを除けば、19時までには退社している。
帰宅後、就寝までの時間があるというのは、本当にいいことだ。毎晩、その幸せをしみじみと思う。

ゆうべ、ふとチャンネルをまわすと
(チャンネルをまわした記憶は微かでしかない世代なのに、この慣用句がしっくりくるのはなぜでしょう。)
NHKの「そのとき歴史は動いた」という番組で、終戦までの数日間についてのあれこれをやっていた。
『昭和天皇』というノンフィクションを読んでいる私にとって、タイムリーすぎる特集。
しかも、スタジオには、その本の著者・保坂正康が。
傍らで、遅い夕飯を摂っている夫が、興奮の奇声を発する私に半ば呆れていた。
かまわず、夫に対して解説を加えながら番組を見入る。

今日、7歳年下ということになる会社の後輩に、
「記憶にある中でいちばん古い首相はだれ?」と聞いてみた。
小渕恵三らしい。
「はぁーっ。ということは、昭和から平成になった瞬間のこととかって、覚えとらんと?」
首をかしげていた。
そりゃそうよね。
小渕さんが、俗にいう「平成おじさん」として名を馳せた(?)ころ、彼女は恐らくまだ3歳くらいだったのだ。

ゆうべの段階で同じ質問は夫にもしたのだが、私より3歳年長の夫、覚えているのは中曽根政権からとのこと。
私と同じだ。
「えー嘘ぉ。鈴木善幸とかも覚えとうっちゃないと?このこのォ」
と迫ってみたが、「え、中曽根の前って鈴木だっけ?」なんて言ってたくらいだから本当らしい。
確かに、中曽根は長期政権で、幼い頃はそれが当たり前だと思っていたから、
竹下登(今をときめくDAIGOのおじいちゃんですね。)のあと、ころころと変わっていった首相を見るに、
子どもごころに「こんなんでいいんだろうか?」と思った記憶あり。

ちなみに、その話のついでに夫から聞いた話。
彼は佐藤栄作の死後間もなく生まれたらしく、
祖父母などは「この子は佐藤の生まれ変わりかもしれん」など、まことしやかに(?)語り、
「栄作」という名をつけることを検討されたとのこと。
念のため付記しておくけれど、彼の家系、政治にはまったく繋がりない。
なのだから、そのころ生まれた日本全国の赤ちゃんで、そんなふうに言われてた子は結構いたのかも。
この平成の世では考えられませんよね。
不謹慎だが、たとえば平成の長期政権として歴史に名を残すであろう小泉純一郎が
いま急に亡くなっても、「生まれ変わりかも」なんて言い出す両親および祖父母はいないだろう。
昭和50年時点での佐藤栄作ほどに国民の意識レベルに影響力の高い首相経験者が、今やいるはずもなく。
思えば、古き昭和の時代を髣髴とさせる、興味深い夫の生誕エピソード(?)である。

私の日記を読み続けてくれてる方々にはご存知のとおり、
夫は故・佐藤首相にはちなんで名づけられることはなく、
お腹に宿ったときからお父さんが決めていたという「タロウ」という名を授かり、
「タローちゃんタローちゃん」と親しまれて32年あまり生きているのですが、
次の首相は「タロウ」さんになるんですかね。
とすると、桂太郎以来ふたりめの「タロウ」首相である。

え、桂太郎って誰?
と、今読んだ大半の若い人が思ったかもしれないが、明治・大正期に3度にわたって組閣し、
総理大臣在職日数2886日として歴代第1位に君臨する長州出身の宰相である。
今回福田さんが辞職することになってふと思い出したのだが、
大学入試の際に受験科目で日本史を選択していたわたくし、
当時は歴代首相を一人残らず、その就任順に記憶していた。
むろん、その在任期間中の歴史的出来事と共に。

いわゆる「覚え歌」のようなものがあって、明治~大正までは「箱根八里」、昭和は「むすんでひらいて」
の替え歌で語呂合わせがされていた。

「伊隈の山は天下の険 松伊 松伊と大隈山
 伊藤の爺さん 桂園 桂園 桂の山に大きな寺あり
 払った税金高かった 山の空気は清かった」

この、「桂園 桂園 桂の山に」
のところが桂太郎氏ですね。
ちなみに二度登場する「園」は、西園寺公望。
彼は元老として昭和まで健在であり、昭和天皇の記憶にも確かだったらしい。

わたくし、実は「箱根八里」の元歌自体を知らなかったので、
日本史を教えてくれていた女性教師が歌う、朗々とした声で覚えた歌だったが、
意外や意外、覚えているものですねー。
むしろ逆に、なじみ深かった「むすんでひらいて」のほうが、替え歌を思い出せない。
ご存知の方、教えてください。

それにしても、こういう「まる暗記」的な勉強法は、いかにも現在非難されそうなところだが、
子どもの頃から歴史に興味のあるガキんちょだった私は、
受験のためとはいえ、結構嬉々として覚え、学んだ記憶がある。
そのときの知識もまた、成人してから自発的に収集している近現代の歴史関係の情報に役立っていることは明らか。
受験戦争、ありがとう。
ああ、あのころの教科書や副読本、ことに山川出版社の「日本史B用語集」取っておけばよかったなあ。

と、今夜もつくづく、一般的に見ればマニアックなわたくしの日記でした。
今夜読み終わった『昭和天皇』上下巻については、まだ書くに能わず。
胸いっぱいのまま、再び『陛下のご質問』を読み返します。
[PR]
by emit9024 | 2008-09-04 22:56


<< 9月の土竜 ユア・マジェスティ >>