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Qちゃんが走るなら

Qちゃんが国内3大マラソンへの連続出場計画を発表した。
トップランナーとしては異例のことであるから、当然ながら、賛否両論の声が渦巻いている。
たとえば、記録の出やすいベルリンかなんかで走って雪辱するとか、国内でひとつ優勝して世界陸上の出場権をとるとかいう選択肢もあっただろうし、全盛期をよく知っているファンとしては、そういう「わかりやすい輝かしさ」をもう一度見たい気分ももちろんある。だけどQちゃんはそれを選ばなかった。

その結論までの過程は、私たちにはわからない。

ただ、名古屋での戦後もとにかく思ったのは、Qちゃんは普通のアスリートではないということだ。
かつて世界の頂点に立ち、屈託ない明るさでたくさんの人を魅了してから、
彼女が、「駆けっこの好きな女子」だけでいられなくなったのは、やっぱり事実。
偶像となり、広告塔となり、その言動すべてが注目され、ある意味、「商品」として消費されてきた。
スポンサーもマスコミも、私たちのようなファンや、ファンでなくても見ている人も含めて、みんなで「高橋尚子」という人を消費してきたのだ。

「出場料めあて」とか、「それを機にさんざん露出して、もうひと儲けする気」とかってはやしたてる外野に、私は言いたい。
もし、仮にそうだとして、そういうふうに進むことを、私たちの誰が責められるだろう?揶揄できるだろう?
私たちには想像もつかない8年を、彼女は送ってきたのだ。
それでたどりついたのが、「あきらめなければ夢はかなうということを伝えたい」といって走る境地なんだ。
スポンサーとの関係があろうとも、経済的政治的事情があろうとも、彼女の「応援してくれた人にお礼もこめて」っていう言葉に、ほんとの気持ちがないなんて、絶対思えない。

ま、みんながみんなマラソンファンじゃないんだし、Qちゃんのファンでないのも当然。
アスリートとしての在り方に疑問を差し挟む余地がないとも断言する気はない。
でも私はQちゃんを応援するよー! うん。


毎年のことながら、3月の終わりは落ち着かない。
4月になってトップギアに入れたらもうしばらくはスピード落とせない。
そうなったらなったで、「ああー戻りたい。あるいは早く終われ!」て激しく思うんだけど、
でも、どこまで走っていいかわかんないような、期末のこの所在無さも、精神的にあんまりよろしくない。
あ、これ、仕事の話ね。


『鬼道の女王 卑弥呼』(文春文庫)を読んでいる。いま、上巻の3分の2くらいまで読んだ。
黒岩重吾さんの書く古代小説。やっぱり、登場人物の血の通い方が半端じゃない。
それでいて、独自ともいえる、しっかりとした時代考証。

『「卑弥呼」の由来は、「日御子」「姫巫女」などいろいろあるが、この小説では「姫尊」説をとる』
って説明のくだりなんか、ぞくぞくっときた。
また、作中では邪馬台国=北部九州説がとられているので、筑後川、甘木、鳥栖、博多など、私にとって馴染み深い地に根ざして書いてあるのも、なんか嬉しい。
とにかく、太くて濃くて、躍動感ありありなのです。どんどん読みたいけどなかなか時間が。
by emit9024 | 2008-03-25 23:34


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