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スラムダンク以来の興奮!?

出社するときは「あー今日も蒸した1日の始まりたいね。」てウンザリしてたのに、午前中に降った雨が上がった昼ごろからぐっと湿度が下がった。夫は飲み会だし、ヨシ今夜も走るか!てVAAM飲んでウェアに着替え、ストレッチして、首にタオルまで巻いたころ、窓を叩く雨音に気づく・・・。納豆ペペロンチーノ作って食べた。


最近読んでるコミックスのこと。

『Giant Kiling』(原作 綱本将也 作画 ツジトモ 講談社モーニングコミックス)

先週から購入開始。あまりの面白さに既に6巻まできた。
こういうとき、さほどの躊躇もなくどんどん買える身の上(時分で稼いだお金を、相当程度、自分の好きに使えるという現状)に感謝する。

あの「スラムダンク」を初めて読んだときのドキドキ感を思い出すほどだ。
って書いたら、どれぐらい面白いかリアルに想像がつくでしょう?

同じくスポーツものだけど、こっちはサッカー。“ETU”(East Tokyo United)という弱小サッカーチームが、Jリーグで奮闘していく。
サッカーものとして「キャプテン翼」とも「シュート」とも違うのは、この漫画の主人公は監督だってこと。

達海猛35歳。キング・カズや中山ゴンの例を出すまでもなく、
ピークは過ぎたとしても、名サッカー選手としてはまだ現役でもおかしくない年頃の男。
スラムダンクの作者・井上雄彦とまではいかないかもしれないが、
ツジトモさんという人が描く画もかなりかっこいい。
作画上も、ほかの選手と同じくらいか、
あるいはそれ以上のイケメンとして描かれている達海青年が、チームを率いることになる経緯から物語は始まる。

かつてこのチームのエースだった達海は、10年前に海外に移籍したのだが、
周りは彼を「チームを捨てた」男とみなしており、
彼が抜けたあと弱体化するチームをキャプテンとして支えてきた“現・ミスターETU”こと村越をはじめ、
達海の招聘はチーム内にもフロントにも、サポーターにも波紋を呼ぶ。

そんなチームの内情も含めたあらゆる現状認識、人間観察力、そしてもちろんサッカー戦術やリーダーとしての資質に優れた達海は、ひょうひょうとチームを率いて強豪チームに挑んでいく。

「Giant Killing」というタイトルは、
「弱いチームが強い奴らをやっつける。こんな楽しいことがあるかよ」
という達海のサッカー美学をあらわしており、
彼の言動はすべてこの精神で貫かれていて、
硬軟とりまぜてチームを動かしていく姿は文句なしにかっこいいのだ。

サッカー漫画なのだから当然、群像劇でもあるわけで、
誇り高いキャプテン・村越を筆頭に、
ノミの心臓だけど天才的な才能をもつサテライト上がりのMF椿や、
イタリア人とのハーフで「王子」と呼ばれるジーノ、
直情的なCB黒田、
また敵チームも、日本代表の中でも輝く持田や、
来日したばかりの愉快なメキシコ3選手、
それでエースの座を追われそうな板垣など、選手は百花繚乱。
6巻から始まった、ETU内でのFW3人のスタメン争いも熾烈を極めそう。

達海が主人公ならば当然、それぞれのチームの監督も個性豊かに描かれており、
中でも3巻で登場した日本代表監督のブランはすごくチャーミングで読む者を魅了するのと同時に、
今後、代表選抜についても作中で詳しく描かれることを予感させる。

ほかにも、GMや広報といったフロント陣、
新旧のサポーター対決、ETUに賭ける女性のフリー記者など、
私が読んだ6巻までで、既に作者の風呂敷は「どこまで?!」てぐらい広げられているのだが、
画的にもストーリー的にも、まったく散漫なところがないので、
「いったいどこまで奥深くバラエティに富んだ展開になるんだろう?」と、ただただ期待が募る。
(現在、10巻まで刊行され、依然、モーニングで連載中らしい。)

中でも一番の謎として提示されているのは、
3巻で代表のブラン監督相手に達海がポロッとこぼした、

「俺、フットボールの神様に、デカい貸しがあるからね」

という言葉で、ブランはそれに対し、

「それは、君がその若さで現役を退いていることと関係あるのかい?」

と返すのだが、ETUの目の前の試合に夢中になりつつも、
達海自身の過去の謎がどこでどんなふうに明らかになるのか?
心の片隅でそれを気にしながら読んでしまうことになるのだ。

安心して楽しく読めるのは、
スポーツを通したこの複雑な人間ドラマが、あくまで「陽」の雰囲気で描かれていることで、
その点、同じ青少年向けの大作でも、
不安や重苦しさ、ミステリーというか、むしろホラー色すら絶えずつきまとう「20世紀少年」やなんかとは毛色がまったく異なる。

一喜一憂しながらも短いペース配分でカタルシスが用意されており、
また小さなコマや、連載1話1話をつなぐページにあらわれる粗いデッサンの1コマなども、
ユニークに細かく描きこまれていて、そのあたりも「スラムダンク」を髣髴とさせる。

どこまでいくのか、「Giant Killing」! ものすごく楽しみだよ!
by emit9024 | 2009-07-15 21:10


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