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数字ばかりの世に埋まる、なんて、ほんとは誰だって嫌だ。

一週間終了。おつかれ、あたし。カンパーイ。
23時目前に帰宅し、掃除、洗濯、ごみ出し。
なにげにここ2回、ごみ出し日を忘れてすっ飛ばしていたので、すっきりした。
結婚してからというもの、夫の専業が確立していたので、捨てる曜日を意識して生活してなかったのです。

今日も昼休みに病院へ。
とか言うと、「大変ね~」って周囲には同情されるけど、
内勤の私、昼の陽気の中、片道10分足らずの距離を自転車こいで行くのはむしろ気持ちがいいくらい。
殺伐とした仕事の合間に病室の夫とひとときまったりするのも、なかなかいいもんです。
しかし、来週はそんなことも言ってられないぐらいの、さらなる修羅場になるんだよなー。

進捗を考えるとほんとは、明日も仕事したほうがどう考えてもいいんだけど、
来週から3週連続で土曜日も出勤になるのは確実、
しかも昭和の日とか憲法記念日とかも出勤だ!
というのを監査日程を確かめて確信したので、もう明日はいいよ、休んじゃうよ。
なんとかするよ、まだ先は長いからどこかで調整する(=缶詰になる)よ。

それにしても、どこもそうだろうけど、会社の業況は厳しいな。
不景気不景気って街角でも叫ばれてる(?)とはいえ、
バブルっぽく浮かれていたところもあったのが一気に垂直落下したので、
急激に引き締め体勢に入った経営に対して、
どうも社員の中には、「そこまでしなきゃなの・・・?」という戸惑いとか、
もっというと不満もくすぶっている。
これが進んでいくと、どこかで爆発するとか、あるいは無気力に向かっていく恐れも感じられる。



ここ数年、これまた多くの会社がそうだったように、我が社も空前の利益額を計上して、
おかげで特に営業サイドでは、
表彰金とかボーナス加算とかの恩恵をおおいに享受していたので、
(ちなみに、我が上司に言わせれば『あれぞ、バラマキだったわけよ』ということになるが)
一転、それが、
「表彰枠は大幅縮減します」
「さらにボーナスカットです」なんて言われ、
さらには「もうね、営業も、そこまでかけなくていいよ。」
という方針まで打ち出されたとあっては、
経営に対する不信不満が募ったり、
あるいは「じゃあ営業の存在意義ってなんなのよ?」
という疑心暗鬼にとらわれる気持ちも、わからんではない。

ただ、当社の業種上、営業には、とにかくまずもって資金投下が必要で、
それは、とうてい手持ちのキャッシュフローでまかなえるような額ではないから、
常に、借入→投資→借入という自転車操業の中から利益やキャッシュを生み出さなければならない。

いかに赤字を免れても、キャッシュがショートすれば破綻するのは自明の理で、
「黒字倒産」なんて、もはや普通名詞、きっと広辞苑にも載ってるでしょう(嘘かも)。

借入先の金融機関や社債の引受先となっているような投資銀行なんかが、
この不況で新たな不良債権や、価値の減じた資産を抱え込んでいるため、
今すぐ潰れるとかいう現状ではない(はず・・・)の当社であっても、
借入の切替や金利の維持は容易ではない。

それどころか、景気のいいときに、調子よくバンバン貸し増ししながらも、
その貸出(当社にとっての借入金ね。)の約定には、
ちゃっかり「コベナンツ=財務制限条項」をつけているんだから、
まあ金融機関って、したたかなもんである。
つまり、「2年連続で赤字を計上したら」とか、
「純資産が前年の8割を切ったら」とかいう条件に抵触したら、
ソッコーで融資を引き上げますよ?!という契約に、そもそもなってるわけですね。

あ、もちろん、
「銀行は、絶対つぶれるわけにはいかない、それは、自分とこの行員のためばかりではなく、
 社会の多くの会社、その家族の生命線を握ってる機関として!」
という、銀行さんたちの危機感は、ある程度わかってるつもりですよ。
・・・と、行員さんのお友だちも読んでるので、いちお、書いておきます。

さて、コベナンツについては有価証券報告書の注記事項にもなりえるため、
当然、財務情報の開示にあたって監査法人との協議の対象にもなるわけで、
先月、借入の1本1本について、約定を吟味し検証する下資料を私のほうで作った。
改めてまとめてみると、財務方で把握しているのを聞いたより、
コベナンツはずいぶん広い範囲にわたって張り巡らされているとの解釈も可能で、
まさに震撼としてしまった。
承知の上で契約したのか、
まさか数年後にこういう経済情勢になるとは予想だにしていなかったのか、
私にはわからないけれども、とにかく相当なリスクが潜在している。

こうなると、
「キャッシュの確保と会計上の損益の数字には、通常、乖離があって当然、
 赤になっても当座の資金さえ枯渇しなければ、まあやっていけますよ~」
なんてことすら言えず、会社の生命線たる資金の融通のためには、
決算書上の利益の計上や純資産の維持が絶対条件ともなってくるので、
世界の景気がすぐに改善するなんて楽観的な見込みもない以上、
今後数年の決算には、これまで以上に細かく神経を使わなければならない。

基本的に、投資が先行すれば決算書上の数字は悪くなるので、
おちおち通常の営業もやってられない、
それよりは、一刻も早く既存の投下資金を回収して、借入の返済に充て、
利息の支払や、貸倒引当金の繰入を減らすことは言うに及ばず、
従業員の給与賞与、福利厚生をある程度削ってでもがんばります!
てな姿勢を、借入先や債権者、投資家たちに対して示さなければ、、、、
というのが、このごろの我が社の急激な引締め体勢の根本にある方針なのだろう。

なんか、「かなり具体的に書いてるけど大丈夫?!」とか思われそうだが、
おそらくは、どこの会社でも似たり寄ったりの大まかな現状だと思います。

しかし、そうやって当面を乗り切ったところで、
企業というのはどんな業種であれ、ある程度ストック(営業資産ね。)がないと、
将来の収益も見込まれないのだから、
いつまでも営業を圧縮して資産を減らし続けると、そもそも先細りになるのは目に見えている。
ここいらへんの長い経営を、
3年5年と経ったらいなくなってるかもしれない現経営陣がどう考えてるのか?
てのも気になります。

「ゴーイング・コンサーン」、
つまり、企業は永続的な存在だという理論があるけれども、
現代の日本人より長い寿命を保つ企業というのは、実際には少数派。
地場ではそこそこ大手の会社として、勤続20年、30年という社員を輩出してきた我が社は、
これまでもいくつもの危機を乗りこえてきたし、
そこには社員の努力や犠牲はもちろん、ある程度の幸運もあったのだろうけど、
どんな業界でも再編の嵐にさらされている現代、この先、どうなっちゃうんだろう。
こういうときこそ、細かい数字うんぬんは全員が共有できるものではないので、
とにかくまずは気持ち的に社員一丸と・・・ならなきゃいけないんだろうけど、
そもそも、そういうムードになれるのかな?うちの会社?
というのが、最大の疑問だったりする。

あと、私の立場でいうと、
管理会計と財務会計とは、もはや簡単に切り離すことのできない現代だと思うので、
うちぐらいの規模の会社では、やはり常に両者が緊密でなければならないと思う。

私が入社したころは、財務・経営企画・主計(主計が私の所属です)は、
ひとつの部署にまとまっていて、当然、その所属長はそのすべてを把握し目を光らせていた。
しかし、ちょうど景気もあったのかもしれないが、
あるとき、いけいけどんどん!な役員さんが赴任してから、
主計、つまり財務会計を、管理会計から大きく引き離しちゃったんだよね。
つまり、営業重視、引いては管理会計至上主義の思想でね。

もちろん、営業が止まったら会社は止まる。
というのはあたりまえのことだし、営業さんなくして会社はありえないのだけれど、
行き過ぎた考えのため、
営業目標は管理会計に偏って作られ、
結果論かもしれないが、それが今、新たな不良債権を生み出している。

その間、財務会計のほうはというと、
会計ビッグバンを経て、国際会計基準へのコンバージェンスという大きな流れがあり、
それはうちのような地場会社でも無視できないような状況。

結果、
従来の姿をとどめた社内の管理会計と、一気に加速して進んでいく財務会計との乖離は
ものすごく大きくなって、その収斂には、かなりの労力が必要になった。

くだんの役員さんは旗色が悪くなったりして既に退職され、
今では、どの部署の役員さん、上席者たちにも理解が深まって連携も濃くなってきたものの、
いかんせん、もう景気がこうなっている以上、遅きに失した。
と、正直、思ったりする。

なんかものすごく上から目線な感想のように見えるかもしれないが、
全国、全世界規模みたいな大きな会社ではない以上、
そういう社内事情は、30になったばっかりの、いまだ若輩者の私にですら、
実務上、おおいに関係してきて、苦い酒もずいぶん飲んだ(笑)と思ってるので、
簡単に流すことはできないのですよう。

もちろん、社会人としてはまだまだ未熟で、
見えてないものもたくさんあるんだろうけど、
こんだけ長々と書いてるのは、いたってマジメな気持ちによるものなのであります。。。
by emit9024 | 2009-04-11 01:56


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